シヌマDEシネマ/ハリー東森

2018年03月

YAMAHAなど、そのテのサイトでは、楽譜を1曲単位で150円とか200円程度で販売していて、時々利用している。先日からギターで弾いてみたい曲があって、あちこちのサイトを探したがこれが見当たらない。その曲というのはシャンソンである。

アマゾンで「シャンソン集」など一冊になった楽譜を買えば済むけれど、これが何千円とチョットお高い。それに欲しいのは1曲だけで他の曲は必要ない。ネット通販の無かった時代にはそれが当たり前だった。我が家にはこういった楽譜集がいっぱいある。1曲単位で買えるのを知ってしまったら、どうも勿体無い。

私の娘が不要になった子供の服などを、せっせとメルカリを通して売っているのは知っていた。先日は家人が、マリメッコの生地をメルカリで買ったと見せびらかすではないか。幼児を抱える母親や、65を過ぎたオバサンが、スマホやタブレットでモノを売ったり買ったりしているのである。

それも相手は同じような人たちだと想像できる。その昔、パソコンを使いこなせる人たちの特権だったやりとりが、今やこうしたシロウトさんまで拡がっているわけだ。そして、パソコンが持っていた得意分野の多くが、スマホやタブレットに替わってしまっている。

ヤフオクなど、昔からこういったものは知ってはいたが敬遠していた。なるべくモノを安く買おう。とか、不要になったモノをなるべく高く売ろう。とかが、なんかビンボウ臭くて嫌だった。「ビンボウ」というのは幼少のころの体験で、大っ嫌いな言葉である。

しかし、今やシロウトさんもやっているわけだ。ひとつ体験してみよう。ということでやってみた。

一昨日にiPadから会員登録、「シャンソン 楽譜」で検索。1,000円でありました。「シャンソンとタンゴ集」の表紙に「2△」とあるが、この△が旧漢字のようで読めない。紙もコーヒー色に焼けている。大正か昭和初期の年代モノの楽譜のようである。探していた曲が掲載されていた。1,000円とチョットお高いのに、なぜかビンボウ臭い感じもするが・・・、ここは経験だ。エイヤッと即購入。
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それが本日午前中に届きました。なんと便利な。アマゾンと一緒や。もうこうなったらビンボウ臭いなんぞと言ってられへん。我が家で高く売れそうなモノを物色しだした ハリー東森 であります。

e-Taxで手続きした確定申告から2週間ちょっと。還付金の振込通知が届いた。今年も還付がありました。税金を払い過ぎていた分、返してもらうのは当たり前だけれど、現ナマが戻ってくるのは嬉しいものである。さぁこれで、うんまいもんを喰うか、旅行の足しにするか・・・。

ところでこの通知書は、私の住まうH市を管轄している粉河税務署から送られてきた。料金後納郵便である。そりゃぁそうでしょう、大量のハガキになるわけだから、切手なんか貼ってられないでしょう。そこで小欄3月8日付の投稿になるわけだ。
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日本年金機構さま、年金受給者へ郵送する書類に返信用ハガキを同封する際は、どうか切手を貼らなくても済むよう、料金後納郵便にと願う次第である。

帰ってからすでに2週間近く経過し、投稿が遅くなりましたが、南フランスに行っていました。JTB旅物語が首都圏で募集した2月19日出発、6泊8日のツアーに応募したもの。なぜ首都圏のツアーに参加したかというと、それには理由がある。

仙台にお住まいのAさん夫婦から、一緒に行こうとお誘いがあったから。A夫妻とは一昨年12月にキューバからスタートした西カリブ海のクルーズで知り合いになった。その後も、A夫人と家人はLINEで連絡を取り合っていたようだ。

これまでこういった、いわゆる団体旅行を通して仲良くなった方々はけっこういたし、次も一緒に行けたらいいね、といった社交辞令も交わしたことはあるけれど、実現したのは今回が初めてである。

今回のツアーは、ニース3泊、アビニョン2泊、カルカソンヌ1泊と、いわゆるコートダジュール、プロヴァンス地方を巡る旅である。これまで行ったことがなく、兼ねてよりぜひ行きたいところだった。

ただし、行くのであれば季節の良い時期に行きたいと思っていた。南仏とはいえ2月後半ではまだ寒かろう。ところがオフシーズンということもあってツアー料金がとにかく安い。それと今回のツアーの目玉は、欧州三大カーニバルのひとつだそうな、ニースのカーニバルが見られるのだ。これはもうA夫妻のお誘いにノるべきでしょう。

さてその南フランスの印象はというと・・・。ニースのカーニバルは、年に1回その期間だけ開催されるパレードが見られて貴重な体験だった。あとはアルルだな。絵心の無い私でも知っている、ゴッホが描いた風景の、その場所に立てたことに感動してしまった。

アルルへはアビニョンからの日帰り観光であったが、もっと長いこと居たかった。このあたりが団体旅行の歯痒いところ。こんなところで時間をかけずに、あっちで時間をもっと取れよ。といった場面を挙げたらキリがない。団体旅行だと諦めるよりしかたない。

ちょっとがっかりだったのは、エクス・アン・プロバンスの印象が期待はずれだった。ラッセル・クロウ主演の「プロヴァンスの贈りもの」(2006年)で見たあの樹木の緑や降り注ぐ太陽までは、さすがに期待しなかったが、春まだ遠くという感じで寒々としていた。オンシーズンに来たら印象はまったく違っていたでしょう。

できることなら、季節の良い時期に、団体旅行でなく個人でゆっくり、もう一度訪れたいコートダジュール、プロヴァンス地方でした。以下はその写真。

ニースの海岸線に沿って続く遊歩道は、1年半前にトラックの暴走によるテロが起きた所。
カーニバルの時期でもあって、警官がたくさん警備にあたっていた。180310_01
夜と昼に開催されたパレード。我が国のお祭りとはだいぶ雰囲気がちがう。
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エクス・アン・プロバンスのプラタナスの並木も寒そうだった。
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アルル、ゴッホゆかりの地
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ゴルド村とポン・デュ・ガールの水道橋
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アビニョンのサン・ベネゼ橋
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欧州最大の城塞都市だそうなカルカソンヌ
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カメラに応じてくれた人たち
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一昨日、日本年金機構から郵便物が2通届いた。
1通は私宛で、生計維持確認届けを提出してくださいというもの。生計維持確認届けとは、加給年金を引き続き受け取るためには毎年誕生月に提出するものとのこと。おそらく昨年も提出したんでしょうが記憶にない。

もう1通は家人宛で、年金請求書を提出してくださいというもの。この3月に65歳になる家人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることができるが、66歳以降に繰り下げて受け取ることもできるのでどうしますか。どっちにするか提出してください。というもの。

ちなみに私たち夫婦は、誕生日が2つ違いの3月17日である。同じ日ということもあってか、この何十年、誕生日プレゼントをもらったこともなければ、渡したこともない。そんなことはどっちでもいいか。話がそれた。

同封されていた返信用のハガキがこれである。
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「お手数ですが62円切手をお貼りください」である。日本年金機構への返信ハガキはいつもこれである。なんでわざわざ切手を貼らさせるの。ありがたくいただく年金から、切手代くらい差っ引いてもいいから、料金後納、料金別納といった方法があるでしょ。腹が立つ。

総務省統計局が昨年の敬老の日に出した統計数値によると、我が国の65歳以上の人口は3461万人。80歳以上が1045万人。90歳以上が199万人だそうだ。

元気な私などはまだいい。元気なお年寄りもおられるでしょう。それでも一般的な超高齢者の方々を想像してしまう。ポストにハガキを投函しに行くのもシンドイちゃうやろか。切手をちゃんとねぶって貼れるんやろか。

年金機構の方々は「お手数ですが62円切手をお貼りください」の「お手数」の程度が、受け取った人によって違うことを気にもしていないのだ。お年寄りの立場になったら分かることなのにねぇ。

我が家はというと、「お手数」だけれど、切手もあるし、唾液も豊富にある。ポストにも散歩がてら行けるのだ。ただし、度重なる郵便料金の改定で62円切手なんぞあるわけない。で、こういうことになるのだ。
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先日のアカデミー賞で、監督賞も作品賞も獲ってしまった「シェイプ・オブ・ウォーター」、じつは先週の公開初日に見てきました。アカデミー賞を獲ったから言うわけではないけれど、おもしろい作品でした。
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まず、時代背景がいい。1962年米ソ冷戦時の真っ只中。ワシントン近郊メリーランド州ボルチモアにあるアメリカ政府の極秘研究所が舞台。ソ連のスパイも登場し、物語全体に緊張感が漂う。これがいい。ギレルモ・デル・トロ監督の傑作「パンズ・ラビリンス」もスペイン内戦が舞台だった。それを思い出した。

それから、登場人物の設定がいい。主人公の女性イライザ(サリー・ホーキンス)の職業がその研究所の清掃員。清掃員だからセキュリティで制限された場所に自由に出入りできるというのがミソ。孤児院で幼いときに、喉に受けた傷のトラウマで声を失っている。その傷の理由は明らかではない。が、この傷が重要になる。これがおもしろい。

主人公の住まいは、映画館が1階に入るビルのアパート。というのもおもしろい。隣人の売れない絵描き(リチャード・ジェンキンス)と、職場の同僚(オクタヴィア・スペンサー)を、主人公を思いやる善人に配置し、研究所の政府役人(マイケル・シャノン)を憎たらしい悪人に配置する。そこにソ連のスパイで、研究所に入り込んだ博士(マイケル・スタールバーグ)を絡める。

そして、アマゾンの奥地で原住民から神と崇められた謎の生物が研究所に連れてこられて・・・。そんな時代背景、登場人物の設定。そこから、声を失った薄幸な女性と謎の生物との恋愛物語が展開する。おもしろくないわけがない。

主人公のサリー・ホーキンスというと、ハリウッド製「GODZILLA ゴジラ」で渡辺謙の助手のような役で出ていたが、印象は薄かった。けっして美人とはいえない、どちらかといえば貧相な彼女が、隣人の絵描きに必死になって、謎の生物への思いを手話で伝えるシーンには、思わず彼女が愛おしくなってしまった。「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンドがいなかったら、主演女優賞は彼女のものだったでしょう。

ちょっと褒めすぎた。不満もある。この作品は大人のおとぎ話である。主人公が毎朝お風呂で行う自慰行為の描写は不要である。さらには悪役の政府役人と奥さんとのセックスシーンはもっと要らない。必然性を感じない。清らかな恋愛ものが汚されたようで、不快だった。

WOWOWで放映されたアカデミー賞授賞式の生中継では、本作が作品賞を獲得した直後、アメリカ在住の映画評論家 町山智浩氏が「怪獣映画で作品賞が獲れたことは画期的」といって涙していたのが印象的だった。

この5月に誕生日を迎えると88歳にお成りになる御大イーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」見てきました。1992年の「許されざる者」から2016年の「ハドソン川の奇跡」まで、数々の安定した作品を楽しませていただきましたが、ここにきてちょっとコケました。敬愛するイーストウッド様も、そろそろ寄る年波には勝てないのでしょうか。

2015年、アムステルダム発パリ行きの列車内で起きた銃乱射テロを、旅行中のアメリカ青年3人が阻止した実際の出来事を映画化したもの。
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テロ発生をクライマックスに据えて、なぜアメリカ青年3人がその列車に乗り合わせたのか、さらにはその3人はそれまでどんな半生を過ごしてきたのかが描かれる。描かれるのだが、これがつまらなかった。“つまらなかった”はヒーローの3人に対して失礼だな。

であれば、フツウすぎて、だからなんなの。という感じだった(余計失礼か)。3人はカリフォルニア州サクラメントの幼なじみだったこと。学校でははみ出し者で軍隊ごっこが好きだったこと。ひとりは学生、ふたりは職業軍人になったこと。3人でヨーロッパ旅行に出かけ、事件に遭遇したこと。

小さい頃の描写は「スタンド・バイ・ミー」の陳腐な縮小版ようだったし、ヨーロッパ旅行の様子は観光ガイドのようで、面白くもなんともない。その合間にテロの描写がチラッ、チラッと挿入される。この手法は緊迫感を出すためによく使われるが、つまらない物語の言い訳をしているように感じてしまった。

いよいよテロ発生。クライマックスで盛り上がる。と思ったら、すぐに終わってしまった。大惨事にならなかったことは良かったけれど、映画としては残念ながら緊迫感が伝わってこなかった。まぁ実際に起こったことをリアルに再現した結果なんでしょう。

誰もがいつ、どこで、テロに遭遇するかも知れない。そんな教訓の作品か。3人の行いは立派であるが、映画の題材としてはどうだったのか。

ヒーロー3人は俳優ではなく、本人たちが起用されたというのが本作の売りになっている。ヘタな演技ではないかと懸念したが、そうでもなかった。事件後のオランド大統領からの勲章授与やサクラメントでのパレードなどは、実際の映像が流れ、確かに本人たちだというのが確認できました。

本作の失敗は脚本につきるようで、敬愛するイーストウッド様のせいだとは口が裂けても申せません。しかし、イーストウッド監督がなぜこの脚本で引き受けたのか。耄碌されたのか。いよいよ引退の潮時が来たのでしょうか。あの「ダーティ・ハリー」と east wood の名前をいただいている ハリー東森 としては心配でなりません。

小欄への投稿が半月ほど空いてしまった。先月末に1週間ほど海外旅行に行っていたり、帰ってからe-Taxでの確定申告をしたり、久しぶりの映画「15時17分、パリ行き」と「シェイプ・オブ・ウォーター」を鑑賞したものの、感想文を綴る余裕も無く、千葉県松戸に住まう息子の長女、つまりは孫の初節句に行ったりと、毎日がヒマなはずなのに、けっこう忙しかったこの半月でした。

今日は朝からWOWOWで生中継されていたアカデミー賞授賞式を5時間ほどに渡って鑑賞。次から次に登場するスターたちの素顔や、懐かしい映像もたくさん出てきて、幸せな時間を満喫しました。もう洋画ファンにはたまらない。

印象的だったのは、作品賞のプレゼンテーターに「俺たちに明日はない」のウォーレン・ビーティとフェイ・ダナウェイが登場したこと。昨年の「ラ・ラ・ランド」と「ムーンライト」の取り違えハプニングがあったからこその再登場で、このあたりがアメリカのユーモアなんだ。こういうのいいねぇ。

作品賞と監督賞は「ダンケルク」を応援していたのに、「シェイプ・オブ・ウォーター」かぁ。両方とも獲ってしまうとは・・・。この作品の感想はのちほどあらためて・・・。

生中継の同時通訳では、どうしても言葉の微妙なニュアンスが伝わってこない。今夜放映される日本語字幕版をもう一回見るぞぉ。

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