シヌマDEシネマ/ハリー東森

2017年05月

今夜、関空からチョット長めの旅行に出発。昨年の6月頃から準備を始め、ようやっと実行の運びとなりました。その昨年のちょうど今ごろ、この予定が入らなければ別の旅行を予約していた。そしてあの「てるみくらぶ騒動」に巻き込まれ、悔しい思いをしているところだった。(詳しくは小欄 ”旅行会社には気ぃつけなアカン” 参照)

今月は最悪で、月初めに罹った風邪がずっと尾を引いて結膜炎を患ったりと散々だったが、体調もなんとか戻ってきた。胃腸薬は持った。風邪薬も持った。目薬も持った。毎日服用している降圧剤も忘れず持った。旅行保険も入った。腹巻も持った。歳を重ねると旅行に持っていくものも随分替わるのだ。

準備万端。さぁビーチボーイズの「Surfer Girl」を聴きながら、いざ出発だ。

公開前から楽しみにしていた「メッセージ」見てきました。異星からやってきたエイリアンと人類が接触するSF映画・・・そんな作品だった。確かにそうだったのだけれど、ちょっと違った。鑑賞直後の感想は “おぃおぃ、そういうことだったのぉ?” と言いたくなるような騙された気分だった。が、思い返して考えてみると、確認しながらもう一度見たくなるような作品だった。
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このところ家内とは別行動でひとり映画に行くことが多く今回もひとりだった。鑑賞後、誰かとこの作品について無性に語りたくなった。こんな気分は久しぶりである。

さて、その誰かに話したくなるような感想を述べるとなると、ある程度ストーリーに触れなくてはならない。が、ストーリーの発端に触れた途端、作品の核心に迫ることになりそうなので躊躇している。ストーリーの語り方が難しく、語ればウソをつきそうで、ここは控えたい。勿体ぶった書き方しかできなくて申し訳ない。

あえてどんな話か、宣伝用キャッチコピー風に表現すると ”エイリアンと接することによって辿ることになる彼女の衝撃的体験” そんなところか。彼女とは主人公の言語学者を演じるエイミー・アダムス。今作では、私が期待していた“お色気”も“可愛らしさ”も封印したにもかかわらず、エイリアンには好かれることになる。

冒頭の鑑賞直後の感想を繰り返す。この作品で、観客の固定概念を利用し、最後でひっくり返す・・・そんな心地よいダマされ方を味わった。ちょうどいま公開している「スプリット」の監督、M・ナイト・シャマランの傑作「シックス・センス」を思い出した。

監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは覚えにくい名前だけれど、前作「ボーダーライン」も面白かったし、次作「ブレードランナー」の続編も楽しみになってきた。

今年のアカデミー賞で、主演男優賞を獲ったケイシー・アフレックの「マンチェスター・バイ・ザ・シー」見てきました。ひと言でいえば“悲しく暗いアメリカン・ホームドラマ”。ずっしりと余韻の残る作品だった。
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ボストンで老朽化したアパートの修繕を職業としている主人公。世の中に背を向けるように心を閉ざして生活している。その主人公が兄の死をきっかけに、故郷に戻ることから話が進行していく。

かつて主人公はその故郷で、奥さんと子供三人の幸せな家庭を営んでいたのに、なぜ故郷を離れ、ひとり暮すようになったのか・・・。単調になりがちな筋立てなのに、過去の出来事を少しずつ明かしながら話を進めていく手法で飽きさせない。

やがて主人公が一生背負うことになる“出来事”が明らかになる。“なるほど心を閉ざすはずだ”と主人公の気持ちが痛いほど理解できるその“出来事”が見る者にも重く伝わってきた。このあたりは脚本の構成が巧みだった。アカデミー賞脚本賞を受賞したのもうなずける。

ケイシー・アフレックは「オーシャンズ」シリーズのとぼけた役や、「ジェシー・ジェームズの暗殺」くらいが印象的で、あまりパッとしない俳優というイメージがあった。この作品を鑑賞した後、録画しておいた今年の「アカデミー賞授賞式」を再見してみた。ケイシー・アフレックの授賞のスピーチも良かったが、客席で見ていた兄貴のベン・アフレックが涙ぐんでいたのに感動してしまった。

ちなみに、タイトルの「マンチェスター・バイ・ザ・シー」はボストンから北東に車で1時間半ほどの海沿いにある、実在の町の名前である。

ゴールデンウィークも終盤の先日の土曜日、京都は北野天満宮のすぐ横にある上七軒歌舞練場へ落語会に行ってきました。配られたパンフレットによると、我が国最古の花街だそうな上七軒は、室町時代に七軒のお茶屋があったことに由来するそうで、現在は九軒のお茶屋があるとのこと。

そのお茶屋の芸者・舞妓が芸を披露する場のひとつが上七軒歌舞練場で、落語に入る前には芸舞妓の踊りあり、お茶屋での遊びありと、ちょっといつもの落語会とは趣の異なるものでした。
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落語の演目は以下の通り

桂吉の丞  「犬の目」
桂米團治  「稽古屋」
桂南光   「蔵丁稚」
桂吉弥   「皿屋敷」

「南光米團治吉弥三人会」ということで、年配の南光がトリを務めると思いきや、吉弥のトリには少々驚いた。同じ米朝事務所ということで融通が利くこともあるだろうし、吉弥にかける期待もそれだけ大きいんでしょう。

さて次の落語会は8月の春風亭小朝の独演会。別れた泰葉への、ウソかホンマかDV騒動で揺れる小朝が、どんな話で切り出すのか楽しみだ。

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