2016年12月
2016年 テレビ鑑賞映画総括
「ローグ・ワン」見てきました
これがおそらく今年最後の映画館になるでしょう、TOHOシネマズ橿原で「ローグ・ワン」見てきました。“もうひとつのスターウォーズ”というキャッチフレーズに、鳴り物入りの宣伝もあって期待したけれど、感想のほうもキャッチフレーズと同様 “もうひとつ” でした。
原題のサブタイトルに「A Star Wars Story」とある通り、スターウォーズと宣言しているからには出来栄えも “もうひとつ” ではいけないのだ。つまりそれではダメなのである。なぜダメなのかを語るとなると作品の中身に踏み込まないといけない。これから鑑賞される方はここから先は読まないほうがよろしいかと・・・。
スターウォーズのあの聞き馴染んだフレーズが時々流れ、ダース・ベイダーが懐かしいジェームズ・アール・ジョーンズ(まだご健在とは知らなかった)の声で蘇り、R2-D2とC-3POがワンカットだけカメオ出演し、ラストはレイア姫で締めくくってくれて、たしかに「スターウォーズ」ではあった。が、鑑賞直後の感想は “セコい映画だなぁ” だった。
もっと厳しくいうと、オレオレ詐欺に引っかかったような、もっといえばスターウォーズの皮を被ったまがい物、そんな印象さえ持ってしまった。スターウォーズ・オタクであれば、あれで満足かもしれない。が、私は騙されない。
この作品で、もし、あの聞き馴染んだフレーズが流れず、ダース・ベイダーもR2-D2もC-3POもレイア姫も登場しなかったとしたら・・・、この映画はチョット面白いだけの、タダの宇宙アクションものなのである。だから前述の感想となったわけである。
私が「スターウォーズ」に惹かれるのは、タダの宇宙アクションものだけではない、人間の業(ごう)が一貫したテーマとして描かれている、と思うからである。この“業”は噺家立川談志の受け売りではあるが、「スターウォーズ」にはこの“業”という言葉がピッタリとハマる。
人間の内面にある希望や絶望、善と悪、光と闇・・・あるいは、親子であり、師弟であり、友達との、愛憎、信頼と裏切り、憧れと妬み、・・・そういったものが根底に流れているから惹かれるのだ。
残念ながらこの「ローグ・ワン」は、そんな要素があったにもかかわらず描かれていなかった。主人公のジン(フェシリティ・ジョーンズ)は反乱軍の過激派リーダーのソウ(フォレスト・ウィテカー)に幼いときに助けられ、師弟のように鍛えられながらも、理由があって離ればなれになったんでしょう。ジンの父親(マッツ・ミケルセン)は娘を想い、良心の呵責に苦しみながら、悪に手を染めたんでしょう。そこのところを描いて欲しかった。
まぁ、これまでの「スターウォーズ」も、7作品を通してその“業”がはっきりと見えてきたわけで、決して最初の一作目でそれを感じたかといえばそうでもない。だからこの「ローグ・ワン」の2時間ちょっとの上映時間のなかに、それを求めるのは酷かもしれない。しかしアクションシーンを減らしてでも、そこを描いて欲しかった。それが「スターウォーズ」なんだから。
さらにいえば、あの聞き馴染んだフレーズも流さず、ダース・ベイダーもR2-D2もC-3POも出さずにスターウォーズの色を出して欲しかった。そして、ラストにレイア姫が登場するだけのほうが絶対にインパクトがあったし、感動もあったのに・・・。
さらにさらにいえば、そのレイア姫は、うしろ姿だけのほうが絶対に良かった。それだけで分かったんだから。キャストにはレイア姫(イングビルド・レイラ)として女優の名前が載っているが、どう見てもCG加工で練りに練られたと想像できるスベスベの顔が映った瞬間、「あっ、まがい物」と思ってしまった。
さて、今年映画館で鑑賞した作品が27本。例年のように、その総括をしないといけない。それと、そろそろこのブログの引越し先を検討しないと・・・。
小三治 独演会に行ってきました
昨夜、新大阪にあるメルパルコホールへ、柳家小三治の落語会に行ってきました。小三治の落語会の記憶となると、40年くらい前まで遡る。おそらくそれ以来行った記憶がない。まったくの久しぶりである。
その40年くらい前、職場のすぐ近くに厚生年金会館があった。1階に大ホール、2階に中ホールがあった。その中ホールでよく落語会があった。職場にいた柳家小さんの好きな同僚と、仕事の帰りに何回か行ったことがある。小さん、志ん朝、枝雀、そんな中に小三治もいた。まだ若かった。それが今や噺家としては三人目の人間国宝である。
初めてのメルパルコホールは舞台の右手に大きな禁煙灯があり、そのすぐ上に同じ大きさでデジタル時計が煌々と時:分を刻んでいた。どちらも開演中ずっと点いたままだった。しかしこれは映画館のように気にはならない。なぜなら開演中も場内は明るいまま照明を落とさないからである。
ちなみに立川流の落語会は場内が真っ暗になる。さて、そのデジタル時計が舞台のすぐ横にあるおかげで、演目の時間配分が手に取るように分かりました。
小三治の一席目は、間抜けな泥棒が艶っぽいお妾さんの家に押し入る「転宅」。マクラが長いことで有名な小三治。ウソかホンマか、ネタを演らずマクラだけで終わった高座もあるそうで、そのマクラが楽しみだった。
その一席目の高座は65分だった。そのうちマクラがなんと35分、娘さんと先月パリに行った話をノラリクラリ、ネタに入る前に石川五右衛門の噺(これが本来のマクラ)を振ってこれが15分、ネタがたったの15分だった。つまりはパリの話はマクラでもなんでもんなく、ただの世間話である。これが小三治の味なんだな。中入りを挟んでトリが「死神」。これはマクラ無しのいきなりネタに入って40分だった。
小三治は特別に「上手いっ!」と思わせないところが、上手いんだろうな。独特の味のある好きな噺家である。
カリブ海クルーズ 雑感 その5
帰国する前日、キューバで宿泊するホテルは当初ハバナ新市街の西海岸沿いに建つ、メリア・ハバナホテル(五つ星)であった。このホテルについては、出発前にツアー会社から届いた資料の中に注意書きがあった。五つ星ではあるけれど、期待してはいけませんので念のため云々というもの。聞くところによれば、水道からはお湯はもちろん水も出ないかもしれないし、停電もあるらしい。
そこへあのカストロの死である。追悼式に招待された外国政府要人のためにそのホテルは召し上げられ、急遽別のホテルになってしまった。このあたりいかにも社会主義国家である。国民はすべてが公務員なのだ、我々観光客も騒がずに従うしかないようだ。
宿泊したホテルはハバナ・リブレ。ガイドブックによるとここも五つ星。革命前は米国資本のホテルだったそうな。近代的で広いロビーに到着したのが午後3時過ぎだったか。ちょうど薄暗くなりかけた館内にいっせいに明かりが点灯し、いっぺんに明るくなった。我々22人のツアー客は思わず「ウァー」と歓声をあげてしまった。電気 点くやないの。
フロントでWifiを使いたいと(カタコトの英語で)伝えると、あっちのオフィスへ回れと指で指示された。オフィスに向かうと、どうやら5クック(約500円)で1時間利用できるようなことを喋っている。5クック差し出すとレシートみたいなものを渡してくれた。そこにログインIDとパスワードが印刷してあった。
7階の客室に上がる6基のエレベーターのうち、2基は故障して止まっていた。部屋は想像していた以上にベッドルームもバスルームも広かった。ただし、だだっぴろいだけでなんか寒々としている。北朝鮮のホテルもおそらくこんな感じかなぁ。と想像してしまう。
電灯も点いた。水道からは水も出たしお湯にもなった。ただしバスタブにお湯をためるための栓が無い。どうやら他の部屋も同じで湯船に浸かるのはムリらしい。Wifiの電波は部屋までは飛んでこないのでロビーに下りる。ロビーではけっこう大勢の白人がスマホやパソコンをいじっていた。ここでたしか旅行先での最後のブログの更新を行った。
海外から帰ってくると、つくづくやっぱり日本がいちばんだと感じてしまう。食べものは旨いし、言葉はそこそこ通じるし、なんといってもトイレだな。街なかでトイレに心配することはないし、キレイだし、おしり洗浄は付いているし・・・。それでもやっぱりまた、どこかへ行きたくなるのだが・・・。
ということで、今回の旅行の感想など長々と綴ってきましたがこれでおしまい。
カリブ海クルーズ 雑感 その4
今回の旅行で7泊した客船と、1泊したハバナのホテルのネットワーク事情について述べたい。この頃は空港や駅、ホテルのロビーなど、いたる所で無料のWifiが使えて便利になりましたが、これは有料のWifiの話。ちょっと長くなりますが、海外でWifiを利用する人に少しは参考になるかも・・・。
家から持参したのが、私と家内のiPhone、それとWifi機能のみのiPad、ノートPCの4台。
船内のWifiの料金体系がこのようになっていた。
ちなみにこのガイダンスは、最初にLanguageの選択画面があって、たしか英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語があったように記憶している。中国語があって日本語が無いのにカチンときたが、この中でなんとか分かるのは英語しかないのだ。
どうやら1日だけの利用かクルーズ中フルカバーの利用のどちらか、繋げる機器の台数、それとデータ通信量で料金体系が出来ているようで、繋げた機器はその端末ごとに管理されるとみた。(イタリアの客船だからでしょう船内の支払いはユーロになる)家から4台持ってきていることだし、ここは一番高い69.90ユーロのコースを選択した。データ通信量も1,500MBもあれば十分だと思ったわけで・・・。
いちばん最初にログインしたときに、その機器の名前を登録し利用を開始する。2回目以降のログインを行うと、それぞれの機器が現在どれくらいのデータ量を消費して、あとどれくらい残っているかが提示される。そんな使い方で、私は主にFacebookへの投稿、家内は友人や娘へのLINEで利用しだした。ハバナを出航後、カストロの死を知ったのはこのWifiでのYahooニュースである。
2日ほど使って、データ通信量の状況をみると、2台のiPhoneがすでに300MBだったか400MBだったかの数値になっていて驚いた。そんなに使った覚えがない。
海外に行ったとき、通信料が無断に課金されないように“モバイルデータ通信”はoffにするが、Wifiは意識したことがなかった。つまりiPhoneは電源を切らない限り、Wifiをoffにしない限り、バックグラウンドで勝手に通信をしていたわけだ。それに気づくのが遅かった。それからは利用した後は必ずWifiをoffにした。
ログインの画面ではそれをあざ笑うように、あと15.00ユーロ出せば500MBデータ通信量を追加できますよ。と、ガイダンスが提示される。思わず「Click here」をクリックしてしまった。もうこれで大丈夫だろう。
ちなみに、“モバイルデータ通信”と“Wifi”の違いを明確に理解している人が意外に少ないようで・・・これを説明するとさらに長くなるので省略。
ところがである、それでも通信量がどんどん消費されていくではないの。そこでさらにハタと気づいた。Wifiをonにして利用している間にもバックグラウンドで通信をしているんだ。例えばFacebookで投稿しようとしている間にも、ウラで、その日に撮影した画像をせっせせっせとサーバに送ったりしているわけだ。
“iCloud”の設定をoffにし、“Appのバックグラウンド更新”をoffにしたが、もう遅いわな。ログインの画面ではそれをあざ笑うように、さらにあと15.00ユーロ出せば500MBデータ通信量を追加できますよ。と、ガイダンスが提示される。思わず「Click here」をクリックしてしまった。
そんなこんなで、ハバナに帰港する前日の利用状況がこんな感じ。高くついたけれど良い経験をさせてもらいました。と言うしかないか。
ハバナのホテルについては、長くなったので次回に。
カリブ海クルーズ 雑感 その3
ジャマイカのモンテゴ・ベイから2時間ほどバス乗って、ダンズリバーの滝登りツアーへ
途中昼食をとったオーチョリスという町は、まさしくゴチャゴチャという感じで、中南米へ来た!という印象でした
イギリス領ケイマン諸島のグランド・ケイマン島ではアカエイに餌付けするツアーに参加
私とは戯れてもくれない家内は、アカエイと戯れて、大はしゃぎでした
メキシコのコズメルはカンクンも近く、まさしくリゾート地という感じ
カリブの海賊に1米ドル渡してのツーショット
ハバナに帰港すると、カストロの死を悼み、いたる所で半旗が掲げられていました
ホテルのテレビではどのチャンネルもカストロの追悼式の模様が生中継されていました
ベランダからはその追悼式が行われてる革命広場の塔が望遠でき、ホテルの前の通りはその群集を運ぶためなんでしょう、夥しいバスが駐車していて、革命広場まで繋がっているようでした
あともう少し、船内のネットワーク事情について綴ります。
カリブ海クルーズ 雑感 その2
キューバ といってもハバナに深夜到着して、出航までの2泊3日、帰港しての1泊2日の短い期間、それもハバナ近郊だけの印象ではあるけれど、画像とともに振り返ってみると・・・。
ハバナ港に停泊中のMSCアルモニア号を、対岸の高台にあるゲバラの邸宅から撮影
今は博物館となっているそのゲバラ邸宅の内部
いまでもゲバラはキューバの英雄なんだ
映画「チェ 28歳の革命」を再見しよう
ハバナの街は観光業で潤う層と、貧困層が見え隠れしていました
ヘミングウェイが通ったというレストランで昼食
店先ではまさしくあのブエナ・ビスタの音楽が生演奏されていて感激
自費製作販売していたCDをもちろん購入(10CUC:約千円)
マラカスのお姐さんとツーショットも撮れました
そのヘミングウェイが常宿にしていたホテル・アンボス・ムンドス
511号室は当時の状態のまま展示されていました
ハバナから車で30分くらいのコヒマルという漁村
「老人と海」の舞台になった場所
いまだにあの映画そのままのようで もう感激
帰国前夜 ホテルのテレビを点けたらカストロの追悼式の中継をやっていました
数日前に訪れた革命広場は閑散としていたけれど、その群集の多さに驚きました
もう少し旅行の感想など続けます。
カリブ海クルーズ 雑感
12月1日(木)夜遅く家に帰ってきて、時差ボケやら荷物の整理・撮り貯めた画像の整理やら、留守中に今年もたくさん届いていた喪中はがきの確認やら・・・なんやかんやで、やっと落ち着きました。
今回の旅行はHISの関連会社クルーズプラネットが募集した「世界遺産ハバナに停泊 カリブ海の真珠キューバクルーズ10日間」で、ツアーに参加したのが私たち夫婦を含め22名。これくらいの人数で10日間も行動を共にしてくると、連帯感みたいなものがでてくる。
男性一人と女性一人の参加がそれぞれ一組。あとは10組の夫婦(ウワサでは不倫旅行のカップルもいたような・・・)。20歳代、30歳代と思われる夫婦が3組、あとは50歳代以上だった。名古屋の藤が丘から来た20歳代の夫婦は、サルサに魅せられてキューバを選んだといっていた。ツアー参加者のほとんどが私を含め、キューバが目玉だったようである。
今回のクルーズで乗船したのはMSCアルモニア号65,542トン、乗員721名、乗客2,679名収容のイタリアの客船。下船する際の最後に配られたクルーズ新聞には、乗客の国別人数が掲載されていた。それによると乗客が多い順に、フランス:307名、イタリア:253名、ドイツ:230名、スペイン:124名、・・・日本からは27名だったとのこと。
さてそのキューバ。フィデル・カストロの死という劇的な出来事に遭遇し、貴重な体験ができました。カストロとゲバラが、いかにキューバの人たちに慕われているかということが身をもって理解できた。
ハバナからトロントへの帰りの飛行機の中で、阪急交通社主催のツアー客の男性と隣り合わせになった。キューバ6泊8日で33名のツアーだそうで、キューバに到着して3日目から国を挙げての喪中となってしまい。アルコールもダメ。音楽もダメ。楽しみにしていたトロピカーナのショーも中止になってしまい、ガッカリだったと言っていた。
その前にトロピカーナに行っといて良かったぁ。
ということで、整理した画像と共に、もう少し旅行の感想など続けます。