「ダークナイト ライジング」見てきました。ひと言でいえば「あ~おもしろかったぁ」の本家・家元ハリウッド製アクション映画でした。悪役のベインという男があまりにもえげつない悪さを仕出かして、一時はどないなるんやろうと心配したけれど、なんとか納まるところに納まってホっとしました。
この悪役を演じたトム・ハーディという役者は、クリストファー・ノーラン監督の前作「インセプション」で、ディカプリオの睡眠潜入チームに所属していたらしいがあまり印象がない。今回もスターウォーズのダース・ベイダーのようにずっとマスクをしていたので顔が良く分からなかった。
しかし、この監督の描く暴力は見ていてツラい。「どうせアクション映画じゃん」と、割り切れるようなカラっとした暴力ではない。気が滅入るような陰湿で閉塞感漂う救われようのない暴力だ。これはシリーズ前作の悪役ジョーカーのほうがもっと凄かったが、それを継承している。
ややネタバレになりそうで恐縮だが、その毒々しく強靭で悪の権化のようなベインが、正体が明らかになった途端に借りてきた猫のように大人しくシュンとしてしまい、簡単にやられれてしまってはいけない。まぁ考えてみれば前作でもあのジョーカーがどんなひどいヤツだったかは強烈に覚えているが、どうやって成敗されたかは記憶に無いので、こんなものかもしれないが・・・。
あと、久しぶりに見た「フルメタル・ジャケット」(1987年)や「メンフィス・ベル」(1990年)のマシュー・モディーンや、レギュラー出演のマイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマンなどのことも語りたいが、長くなるので別の機会に。
最後に監督のクリストファー・ノーランはやっぱりいい。この「バットマン」シリーズをはじめ、前作「インセプション」や初期の「メメント」など、脚本にも参画して描く作品は、どれも個性的で興味深い。映画作家として今後も注目。