シヌマDEシネマ/ハリー東森

2012年07月

「ダークナイト ライジング」見てきました。ひと言でいえば「あ~おもしろかったぁ」の本家・家元ハリウッド製アクション映画でした。悪役のベインという男があまりにもえげつない悪さを仕出かして、一時はどないなるんやろうと心配したけれど、なんとか納まるところに納まってホっとしました。

120729_darkknight1この悪役を演じたトム・ハーディという役者は、クリストファー・ノーラン監督の前作「インセプション」で、ディカプリオの睡眠潜入チームに所属していたらしいがあまり印象がない。今回もスターウォーズのダース・ベイダーのようにずっとマスクをしていたので顔が良く分からなかった。

しかし、この監督の描く暴力は見ていてツラい。「どうせアクション映画じゃん」と、割り切れるようなカラっとした暴力ではない。気が滅入るような陰湿で閉塞感漂う救われようのない暴力だ。これはシリーズ前作の悪役ジョーカーのほうがもっと凄かったが、それを継承している。

ややネタバレになりそうで恐縮だが、その毒々しく強靭で悪の権化のようなベインが、正体が明らかになった途端に借りてきた猫のように大人しくシュンとしてしまい、簡単にやられれてしまってはいけない。まぁ考えてみれば前作でもあのジョーカーがどんなひどいヤツだったかは強烈に覚えているが、どうやって成敗されたかは記憶に無いので、こんなものかもしれないが・・・。

120729_darkknight2あと、久しぶりに見た「フルメタル・ジャケット」(1987年)や「メンフィス・ベル」(1990年)のマシュー・モディーンや、レギュラー出演のマイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマンなどのことも語りたいが、長くなるので別の機会に。

最後に監督のクリストファー・ノーランはやっぱりいい。この「バットマン」シリーズをはじめ、前作「インセプション」や初期の「メメント」など、脚本にも参画して描く作品は、どれも個性的で興味深い。映画作家として今後も注目。

イチローのマリナーズでの11年半とはまったく、ほとんど、あまりにもおこがましくて比較できないが、私が名古屋の高校時代の同級生と続けているバンドも、この9月が来ると17年になる。毎月一回のペースで練習をしているのだが、このところナンヤカンヤとスケジュールが合わなかったりでそのペースが落ちている。今年に入ってその4回目の練習が先週末にあった。

名古屋に来ると、その近郊のK市に住まう母親のところに寄ることになる。勤めているときは一泊して帰ったのだが、こうしてヒマになったおかげで数日滞在する。数日といわずもっと長く居てもいいのだが、これがナカナカ難しい。その理由が2つ3つあるが今回のテーマではないので、これはまた別の機会に・・・。

さて、バンドではビートルズの「I Want To Hold Your Hand」「From Me to You」「All My Loving」「Can't Buy Me Love」「You Can't Do That」を演奏し、大いに発散した翌日の日曜日、K市からほど近い小牧空港に隣接しているミッドランドシネマへ映画鑑賞に行ったのはいいが・・・。

前置きが長くなってしまった。公開中の映画から「リンカーン弁護士」を選択。上映開始まで2時間もあったが、この作品が一番見たかった。時間までショッピングモールをブラついて劇場入口まで行くと、なんたるこっちゃ機器の故障で上映中止だと。料金は払い戻ししますだと。スイマセンだと。それで終わり。なんたるこっちゃ。腹が立つではないか。

5年前にも、いつも行くシネコンで「トランスフォーマー」を鑑賞中に30分くらい経ったところで映写が中断し、そのまま上映中止になったことがあった。このときは料金の払い戻しと無料鑑賞券をもらったが、「トランスフォーマー」をもう一度映画館で見る気は失せていた。

機器の故障でしかたないとはいえ、スイマセンで済む話でもないし、お金で済む話でもないし・・・、チケットを買って映画を見るまでの2時間、映画を見ていたであろう2時間を、どないしてくれるんや。最初から分かっとったら「スパイダーマン」か「海猿」見たやんかぁ。

腹の立つ一日だったけれど、晩ごはんは山本屋本店の味噌煮込みうどんでご飯をお代わりしてしまった。漬もんもやっぱりうんみゃあ。これで立っとった腹もやっとかめに治まった ハリー東森 だったがね。

120717_bunshi1昨日、なんばグランド花月で行われた「六代桂文枝襲名披露公演」に行ってきました。
69歳の誕生日を機しての晴れやかな再出発でした。口上を挟んでの演目は以下の通り。

 桂三歩「私がパパよ」(桂三枝作)
 桂文珍「風呂敷」
 桂歌丸「鍋草履」
 三遊亭圓歌「中沢家の人々」
 桂春團治「お玉牛」
 桂文枝「さよならサニー」

文枝の「さよならサニー」はこの日が初演のいわゆるネタ下ろしで、愛犬のサニーを手放すことになった飼主の悲哀をおもしろおかしく語った噺。公演後、先代文枝一門と六代文枝の弟子たち全員が舞台に登場した。

そこで弟弟子の文珍から、若い頃の三枝は自分のことを自らサニーと名乗ったこともあるそうで、新作「さよならサニー」は三枝の名前と決別する覚悟を重ねていると解説が入っており、な~るほどと納得。
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シネコンで公開されているメジャーな映画だけでなく、ミニシアターで上映される洋画もチェックして、おもしろそうであれば積極的に見に行こうと心掛けている今日この頃。先週の「ブラック・ブラッド」に続いてフランス映画「プレイ-獲物-」見てきました。

 <これぞ映画!! エンターテイメントの原点!! 
   デジタル技術ばかりに走る現在のハリウッドが
   失くした本物の“映画魂”がここにある>

こんなキャッチコピーを見たら行きたくなってしまう。<本物の“映画魂”>というものがココにあったかどうかよく分からなかったが、これぞアクション+サスペンス映画だ! というものを作ろうという意気込みが伝わってきた作品。

120714_prey妻子を連続殺人鬼から守るため刑務所を脱獄し、その殺人鬼を追いかける銀行強盗が主人公でこれがタフで強いこと。その脱獄した銀行強盗を追いかけるのがやり手の女刑事でこれが美人ときた。追いかけられながら追いかけるというアイデア以外、特に目新しいものはないが、ツボを押さえて最後まで飽きさせなかった。

ブルース・ウィリスに似た連続殺人犯鬼は、優しそうな顔をして若い女性ばかり狙って恐かったが、そのダンナの犯罪を知りながら協力さえする奥さんの狂気のほうがもっと恐かった。

ヨーロッパの作品、これからもなるべく鑑賞するようにしていきたい。

いつも行くシネコンで「崖っぷちの男」見てきました。これがナカナカおもしろかった。ハリウッド製(舞台はニューヨークだが)刑事ものアクション映画健在。ストーリーも途中から大体読めてきたし、話がトントンと運びすぎる感があったものの、上手く練られておりました。脇を固める俳優陣も良かった。

悪役のエド・ハリスが唐突に登場するなど前半の場面転換に少々違和感があったが、これはおそらく編集の段階で相当カットされたと想像できる。話が上手く運びすぎる印象はどうやらその説明シーンも含めてカットされたとしたら納得できる。アクション映画としてのスピード感を優先させたんでしょう。

私と同い年で、少なからず応援している前述のエド・ハリスが「ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記」(2007年)以来ちょっと見ない間にやけに痩せて萎んしまっていた。私のようにボテボテと太るのも芳しくないが、その反対も心配してしまう。

120710_manonaledge1「プライベート・ライアン」(1998年)で存在感のあったエドワード・バーンズがあまり目立たない刑事役で出番も少なく、ちょっと残念。「スリーデイズ」(2010年)でダンナのラッセル・クロウに助けられる脱獄妻エリザベス・バンクスは、自殺志願男を説得する刑事役で出ており、やっぱり綺麗でした。

その自殺志願男で、ほとんどホテルの窓べりに立ちっぱなしだったサム・ワーシントンは「ターミネーター4」や「タイタンの戦い」のようにハデではないものの、自慢の肉体をチラつかせなくても十分やっていけることを証明しました。

120710_manonaledge2ホテルのボーイで出ていた役者に見覚えがあり、一生懸命悩んだ末に思い出した。「ダイ・ハード2」(1990年)のテロのリーダーで出ていたウィリアム・サドラーという俳優だった。この人「グリーンマイル」(1999年)などチョイ役でけっこう見かけていたのだ。出演者たちから過去の映画をなぞるというのも、映画の楽しみのひとつですなぁ。

本国スペインで数々の映画賞に輝いたそうな「ブラック・ブレッド」を、梅田はロフトの地下にあるテアトル梅田で見てきました。少々難解で、少々退屈で、相当後味も悪かったが、鑑賞後にあらためて反芻してみると、な~るほどと思いつくことがジワジワ出てくる不思議な作品でした。

ハリウッド製アクション映画によくある「わぁーおもしろかった」だけで、後は何も残らない映画とは違い(それはそれで大好きだが)後々までなにかと考えさせられた作品。こういうのを文学的というのでしょうか。好みでいえばあまり好きではない作品。しかし完成度の高い作品。

120706_blackbread舞台は1940年頃の内戦が治まったフランコ政権独裁下のスペインの村。反政府活動家を父に持つ少年の目を通して、大人たちの打算、欺瞞、偽善といったものが見えてくる。ストーリーを語ると興味が半減するのでここでは語らない。というより複雑で語れない。ひと言でいえば、その純粋無垢な少年が、大人たちが発する毒に晒されながら、したたかに大人になっていく。そんな話。

話は少々変わるが、よく聞く話に「映画で人生のすばらしさを教えてもらった」とか「人の優しさを知った」とかいった美談は耳にするが、この作品は真っ向正反対のことを教えてくれる。「君たち 人生なんてきれい事だけでは生きてはいけないよ」・・・なんと残酷で非情なんでしょう。

そんな中で、手榴弾で左手の指をすべて無くした少女の自由奔放に生きる様子や、結核を患い教会に隔離されている青年のやさしさなども描かれて、これが僅かな救いになっている。

今年度キネマ旬報ベストテン上位入賞保証作品。

たいていは母親と話すばかりの娘から電話があった。私に用事があるときはだいたい用件が限られる。案の定パソコンがおかしくなって助けを求めてきた。電話で様子を聞くと、どうやらウィルスにやられたらしい。システムの再インストールが必要のようだ。

そんなことぐらい説明書に書いてある通り自分でやりなさい。と言うのだが「分っからへんもぉ」と返される。娘もその母親もそうなのだが、ことこういう事に関しては私に頼ってしまってハナから分かろうとせず、何べんも同じことを聞いてくる。それではいかんのだ。「いつまでも あると思うな 親とカネ」

まぁ娘夫婦からは、この前の父の日にシャレたステテコをもらっているのでツレなくもできない。で、父親は娘のマンションまで出向くのである。やはりウィルスだったんでしょう、システムは立ち上がるがソフトからデータまで全て消えていた。ウィルス対策ソフトを入れているからといって安心してはいけない。最新のウィルスに対処するワクチンが出てくるまで、パソコンは危険に晒されているのだ。

幸いデジカメの画像など大事なデータは父親の教えを守って、外付けのハードディスクに保存していたのでほぼ無事に、4時間かけて復旧完了。自分でやれることを他人まかせにしてはいけないよ。ちゃんと教えたんだから次は助けないぞ。

テレビで流れるスマートフォンのCMで、携帯に向かって判断を仰いでいるヤカラをみると、「おいおい、アホちゃうか。それくらいのことは自分でせーよ」と腹が立つ。世の中が“便利”になるのはいいことだが、これが“便利”かねぇ。なんかおかしい。




YouTube: 「しゃべってコンシェル」コマーシャル映像 その1

他人まかせ、機械まかせで、自分では何も出来ない。何も決められない。そんな日本人ばかりになりそうでコワくなる。こんなことを憂慮するのは、へそ曲がりのオッサンだけかねぇ。

「これホタルちゃう?」と、我が家に飛来した昆虫を見て家人が言う。ほんなアホなと思いつつながめてみるがどうも分からない。念のためカメラに収める。googleの画像で検索するとどうもそのようだ。やっぱりこりゃぁホタルだぜぇ。ワイルドだろう?

120701_hotaruココに引っ越してきた25年前には、近くの小川でホタルが見られるということを聞いた記憶もあるような・・・。やっぱりココは田舎なんだぜぇ。早々に庭に放してやりました。

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