シヌマDEシネマ/ハリー東森

2011年08月

前回鑑賞した「ツリー・オブ・ライフ」がどうも消化不良気味で、なんとか充実感を味わいたくて「シャンハイ」見てきました。

110830_shanghai支那事変の真っ最中、太平洋戦争前夜の1941年。日本だけでなく西洋の列強が利権を求めてひしめき合う上海が舞台。アメリカの諜報員殺人事件を調査する後任のジョン・キューザックを狂言回しに、中国人ながら日本軍に取り入る上海の顔役、レジスタンスとして暗躍するその夫人とのほのかな恋、ドイツ領事館員夫人との不倫、殺人事件の鍵を握ったまま失踪した日本人女性・・・やがて日米開戦の波が上海にも押し寄せて・・・。

おもしろそうな話ではある。おもしろそうな話なのだが、どうも盛り上がりの無い緊迫感に欠けた作品だった。描きたかったのは “激動の時代に翻弄される人間群像” なのだろうが、総花的になって焦点がぼやけてしまい、物語を貫く芯がよく分からなかった。

良かったのは日本軍大佐 渡辺謙が、前作「インセプション」より存在感があったこと。ドイツ領事館員夫人を演じた女優が思い出せず、後で調べたら「ボーン」シリーズ マット・デイモンの恋人フランカ・ポテンテだった。

ということで「シャンハイ」を鑑賞しても消化不良は解消できなかった ハリー東森 でした。

テレンス・マリック監督といえば、その昔「シン・レッド・ライン」 (1998年)を見ている。この戦争映画に出ていたショーン・ペンなどの俳優陣や映画関係者といった身内からの評価が高い監督だそうだが、難解でよく分からない作品という印象だけが残っている。

その監督の「ツリー・オブ・ライフ」も、おそらくそのような映画だろうと敬遠気味だったが、予告編で、

     父さん、あの頃の僕はあなたが嫌いだった・・・

の宣伝文句に惹かれて映画館に足を運んだ。

幼い頃、私も持っていた父親に対する気持ちを言い当てられたようで、ブラット・ピット父さんに対し、息子ショーン・ペンの心がどんなふうに変わっていくのか、興味津々で鑑賞した。そして、やっぱり、良く分からない作品だった。映画館という拘束された空間だからこそ最後まで見られたわけで、これが自宅のテレビでの鑑賞だったら15分で止めていた。

110829_treeoflifeブラット・ピットを父親とする三兄弟の成長の過程と、大人になった長男ショーン・ペンの様子が断片的に脈絡も無く描かれる。発端は19歳になった次男の死から始まるのだが、特に物語性はない。どうやら長男は監督テレンス・マリック自身の投影だと想像できる。いわゆる私小説。退屈なだけだった。長男ショーン・ペンの父親に対する心の変化は伝わってこなかった。

前半に延々と描写される “地球の神秘” というようなドキュメンタリー風映像が長すぎる。ドキュメンタリーかと思いきや、ネッシーや「ジュラシック・パーク」のような恐竜も登場してきた。つまり実写だと思ってみていたら作り物の映像である。意味が分からずイライラしてしまった。

どうやらこの監督(脚本も)は、おもしろい映画を作って観客を喜ばせようとか、興行的に儲けようとか、そんな気はさらさら無いようで、ただただ自分の作りたいように作って、それが評価されるという、まことに羨ましい監督ではある。私は共鳴できなかった。

110826_shinosuke森之宮ピロティホールに「志の輔らくご」を聴きに行ってきました。ざっと1,000人ほど収容の会場は満席。噺は今年1月に東京パルコ劇場で初めてかけられた新作落語「大河への道」の一席。2時間たっぷりの一席だった。

噺は江戸末期の人 伊能忠敬の生涯と、その偉業をなんとかNHK大河ドラマに取り上げてもらい地域活性化を願う、千葉県の役所の担当者の話を絡めたもの。千葉県は伊能忠敬の出身地だそうだ。

やはり出来たばかりの噺という感じで、まだまだ十分こなされていない印象を持った。成長過程といったらいいか、これから何べんも高座にかけられ、お客の反応を確かめながら、試行錯誤しながら、練られていくんでしょう。

まくらで、なぜ伊能忠敬を落語の題材にしようと思ったかを語っていた。千葉県佐原市の伊能忠敬記念館を訪れた際、現代の日本地図と伊能忠敬が作製した地図がほとんど合致している様に感動して、なんとか落語にしたいと思ったそうだ。

高座の中で、その伊能忠敬の生涯と偉業を延々1時間以上は語っていた。志の輔自身が最後の挨拶でこれは落語ではないかもしれないと言っていた。これから落語として昇華されていくのでしょう。ただ、伊能忠敬に対する想いは十分伝わってきた。伊能忠敬記念館には機会があればぜひ行ってみたい。

(前項からの続き)

マイクとマイクスタンドは新たに買うことにした。ネットで購入というテもあるが、前回の反省を踏まえやめとこう。楽器店に出向き、用途をはっきりさせて、現物をちゃんと確認して購入したほうが良さそうだ。

110823_shuremicということで、心斎橋 三木楽器で担当者のアドバイスも受けながら購入した。画像はそのSHURE ダイナミックマイクロフォン BETA 58Aとマイクスタンド。41年間ご苦労さんのSONYのマイクはさすが処分するのは忍びない。殿堂入り(つまり押し入れ)だな。

“パソコンで音楽” のタイトルでスタートしたが、「ハリー・ポッター」シリーズよりダラダラ長くなってしまった。始めるまでの準備に半年近くを要したがこれでいいのだ。ああしようか、こうしようかと悩むのもまた楽しいものなのだ。

さて、いよいよこれからが “パソコンで音楽” である。これからが本題なのに、この先どうやって進めようかと考えている。もうこうなったら1曲仕上げていく過程をこと細かに綴っていこう。

(この項 続く)

(前項からの続き)

私の持っているマイクロフォンは年代モノで41年の歳月を経ている。19歳のときに購入した。忘れもしない18歳のときの初任給が2万6千円だった当時、マイク2本とマイクスタンドが3万数千円だった。

あの奈良の独身寮から、茨木の独身寮、大阪谷九の公団住宅、所帯を持ってからの奈良学園前、奈良新庄町、そしてココと、引越しする度にずっと持ち歩いている数少ないモノのひとつ。このマイクで録音した曲、一緒に唄った人たち。思い出がいっぱい詰まっている。

さて、そのマイクを久しぶりに出して録音してみた。接触が悪く音声が途切れる。ノイズが入る。なんとも具合が悪い。マイクスタンドなんぞは、いたるところネジが切れてしまい、アームもマイクフォルダもブラブラ状態だが、これはしょうがない。マイクもスタンドも寿命だわな。愛着はあるがお役ご免ということか。

(この項 続く)

110822_sonymic画像は昭和45年購入のSONY コンデーサーマイクロフォン ECM-270 2本。スタンドはいたるところ安定しないので針金で固定している。これが最後のセッティングか。

先月NHK BShiで放映された「ロープ」を録画しておいたハードディスクから鑑賞した。ヒッチコック監督1948年の作品で、これがなかなか興味深い作品だった。映画の出来としては退屈だったが、その手法がおもしろかった。

110821_rope高層アパートのベランダから見下ろした通りの描写から始まったタイトルシーンが、本編に入るとなんとラストまで、カメラはそのアパートの部屋から一歩も外に出ない。なおかつワンショットの長回しが延々と続くではないか。つまり時間の経過と映画の進行が同じなのだ。

いつカットが入るのか、つまり場面の切り替えが入るのか。その興味で最後まで見てしまった。要は一幕の演劇を見るようなものだが、そこは映画のいいところでカメラが巧みに動き回る。

ワンショットの長回しが印象的だったのは、ニコラス・ケイジ主演の「スネーク・アイズ」(1998年 監督:ブライアン・デ・パルマ)が冒頭から十数分間ノーカットの長回しで、そのシーンの中に事件の伏線が詰まっているという、おもしろいのがあった。

時間の経過と映画の進行が同期していたのがゲーリー・クーパー主演の西部劇「真昼の決闘」(1952年 監督:フレッド・ジンネマン)だった。

さて、この「ロープ」という作品。明確なカットシーンがあったのは一ヶ所だけで、主演のジェームズ・スチュアートに場面が切り替わるシーンだけであった。後は最初から最後までずっとワンショットの長回しにはおどろいた。

ただし、出演者の背中が大写しにされてスクリーンが一瞬真っ暗になるようなシーンが3~4ヶ所あった。実際にはそこで撮影が中断され、一息ついていたことは想像できる。それでもおもしろい趣向の作品だった。

で、お話の内容はというと・・・・、これがさっぱりおもしろくないので割愛。

(前項からの続き)

ネットショッピングの反省を踏まえ、“CUBASE ARTIST PLUS PACK” は心斎橋 三木楽器で購入した。これが7月。そのときのお店の担当者との会話「バンド やってはるんですか?」「うん やってる やってるぅ」「パートはどこやってるんですか?」「ギターと唄」「マイクもありますのでまたよろしく」・・・この会話が後々生きてくるとは・・・。

さて、早々に家に持ち帰りインストールを行う。4月に購入してほとんど使っていなかったデスクトップ・パソコンの出番がやっと到来した。

110819_cobase_japanインストールの段階で判明したことだが、実は輸入版でも支障なかった。つまりインストールの際に言語が選択できたのである。マニュアルはすべてPDFで保存されていて、これも最初に言語の選択を行うことができた。オーディオ・インターフェースCI2+の操作マニュアルは一冊の中に英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、日本語(韓国、中国語は無い)で編集されていた。このあたりは最近のデジカメやプリンタのマニュアルも同じように作られている。

ということは、アマゾンで輸入版を購入してしまい返品したが、返品せずに問題なく使えたことになる。(アマゾンのHPで“日本語対応”とあるのはそういう意味と理解できる)

ただし、今後のバージョンアップなどのサポートを考えると、販売代理店のヤマハを通して購入したほうが無難だと考える。事実、インストールの際にちょっとトラブり、早々にヤマハのヘルプデスクに助けてもらった。輸入版だとこういったサポートはどうなるのだろう。そのあたりも販売の際、明記してもらいたい。

やっと準備が整った。PDFのマニュアルをちゃんと読んでから・・・、といっても全762頁の膨大な量である。まったくの初心者ではないし必要に応じて参照すればいい。別にクイックリファレンス(簡易マニュアル。それでも80頁ある)を参考に、とにかく1曲作り上げよう。

そうだ、マイクを出さなアカン。マイク・・・マイク・・・。あったあった。・・・と、ここでまたしても問題が発生した。もうこうなると、どんなトラブルが発生しても冷静に対処できるのだ。

(この項 続く)

(前項からの続き)

イヤな予感を抱きつつ、届いた商品の梱包を解きかけた。プチプチ緩衝材で梱包された商品をそのまま透かして見てみると・・・パッケージは・・・ドイツ語と英語だ。ドイツ語なんぞ分かるはずないのだが、このソフトがもともとドイツ製ということで推測できる。つまり輸入版なのだ。やっぱりイヤな予感は的中した。

おいおい、ドイツ語の説明書や画面では使えんでしょう。安いほうの商品に飛びついた私も悪いが、商品説明をちゃんとしていない販売者も悪い。販売はアマゾンだが実際の販売元は別にある。

早々に販売元に電話をかけてクレームをつけた。
輸入版と明示していないではないか。ドイツ語ではなんのこっちゃ分からないではないか。まだ梱包を解いていない。返品する。
「すいません」「送料着払いで返品してください」と販売元は返答してきた。つまり悪いのは承知のうえで販売しているのである。タチが悪い。

110818_cubase_amazon同じクレームをアマゾンのサポートセンターにメールで伝えた。それからしばらくしてアマゾンの販売サイトの商品説明に、この画像では文字が桁落ちして分からないが「輸入版」という文字が追加された。その前に「日本語対応」という説明もあるが、それでもまだこれだけでは商品説明が不親切である。これは後述する

これまでネットでは電化製品や本などを購入しているが、こういったものはどこで買っても同じものだから心配はないが、中にはネット購入に不向きなモノがあることを、身をもって体験した次第である。反省。

(この項 続く)

110817_bullit午後も日差しが弱まりかけた頃からUSJへ。お盆休みもピークを過ぎただろうし、夕涼みがてらにと行ったのだが、なんのなんのビックリのスンゴい人出。人ごみにもまれて汗だくになってしまった。

まぁ、今回はマックィーン「ブリット」のフィルムセルが欲しくて行ったわけで、それが買えたので良しとするか。シネマギャラリーの担当者に聞くと、一昨日、昨日よりも今日(16日)のほうが人出はさらに多いらしい。どうやら昨日までは使えなかった年間パス(ゴールドのほう)が今日から使えるので、どっと増えたらしい。実は私もそうなのである。

どこのアトラクションも売店もレストランも通りも人でいっぱい。落ち着く場所が無い。夜のパレードまで待てるようなテンションはさらさら無い。早々に帰ってきた。

そうそう、シネマギャラリーには「明日に向かって撃て」のポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロスの自筆サイン入りポスターがあった。これがたまらなくいい。前回のイーストウッド「ダーティ・ハリー」は思わず衝動買いしてしまったが、これはチョット高い。衝動買いにも限度をわきまえる ハリー東森 なのである。

(前項からの続き)

6月もたしか後半に入った頃、DAWソフトCUBASEのソフトの体系が増やされ販売価格も下げられた。これまでは“上”と“並み”の2段階だったものが“松竹梅”の3段階に増やされた。これは競合しているソフトSONARに対抗したものらしい。

110815_cubaseそれに合わせ、“CUBASE ARTIST PLUS PACK”が発売された。これはすなわち私の待っていたオーディー・インターフェース+最新ソフトのバンドル版である。待った甲斐がありました。

ここで素直にこれまでアドバイスを受けた心斎橋 三木楽器で買えばいいものを、日頃のセコさが出てしまった。アマゾンでチェックすると、同じ商品でありながら通常の販売価格49,800円のものと39,980円のものがあるではないか。

商品説明をじっくり見ても同じ商品である。イヤな予感がよぎったが同じ商品なら安いほうを買うのはコレ当たり前である。イヤな予感を抱きつつ、アマゾンで安いほうの商品を注文した。

数日後、その商品が届いた。イヤな予感はやっぱり的中していた。またしても障害に出くわしてしまった。ナカナカ “パソコンで音楽” までたどり着かない。

(この項 続く)

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