前回鑑賞した「ツリー・オブ・ライフ」がどうも消化不良気味で、なんとか充実感を味わいたくて「シャンハイ」見てきました。
支那事変の真っ最中、太平洋戦争前夜の1941年。日本だけでなく西洋の列強が利権を求めてひしめき合う上海が舞台。アメリカの諜報員殺人事件を調査する後任のジョン・キューザックを狂言回しに、中国人ながら日本軍に取り入る上海の顔役、レジスタンスとして暗躍するその夫人とのほのかな恋、ドイツ領事館員夫人との不倫、殺人事件の鍵を握ったまま失踪した日本人女性・・・やがて日米開戦の波が上海にも押し寄せて・・・。
おもしろそうな話ではある。おもしろそうな話なのだが、どうも盛り上がりの無い緊迫感に欠けた作品だった。描きたかったのは “激動の時代に翻弄される人間群像” なのだろうが、総花的になって焦点がぼやけてしまい、物語を貫く芯がよく分からなかった。
良かったのは日本軍大佐 渡辺謙が、前作「インセプション」より存在感があったこと。ドイツ領事館員夫人を演じた女優が思い出せず、後で調べたら「ボーン」シリーズ マット・デイモンの恋人フランカ・ポテンテだった。
ということで「シャンハイ」を鑑賞しても消化不良は解消できなかった ハリー東森 でした。