今年初めての映画館で「Dr.パルナサスの鏡」見てきました。撮影中の2008年1月に処方箋薬物の過剰摂取(雑誌スクリーン2月号による)で急死したヒース・レジャーの遺作で、その代役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが引き継いだ作品。
現代のロンドンに突如、馬車に曳かれて現れた移動劇場で、パルナサス博士率いる大道芸人たちの出し物は、お客を鏡の中の異次元の世界へ誘うというもの。パルナサス博士は「サウンド・オブ・ミュージック」で「エーデルワイス」を唄ったクリストファー・プラマー。老けたが健在。
テリー・ギリアム監督はこの移動劇場兼住居(これがよく出来ている)で繰り広げる中世の衣装を身にまとったまるで時代錯誤的な芸人たちと、鏡の中のポップでビジュアルな映像との対比の妙で、映画を鑑賞する観客までをも不思議な世界へと誘ってくれる。
と、ここまで述べると、おもしろそうな作品のようであるが、私には・・・退屈な作品であった。不思議な世界へ誘ってくれたまではいいが、そこからさらに入り込めなかった。鏡の中はあの大塚美術館で見たダリの絵のようなシュールな世界だったし、ヒース・レジャーの後を継いだ男優たちも(前もって分かっていたせいもあり)そんなに違和感はなかったし・・・。
せっかくの美味そうで豪華な料理が、私には口に合わなかった。そんな感じだな。なんで合わないかずっと考えているが、私にもよく分からない。つまらんかったんだからしょうがない。合わないものはしかたない。
しかし、ハマる人にはたまらない作品なんでしょう。こんなのがまた、知ったかぶりをしたがる評論家にも受けるんでしょうねぇ。