シヌマDEシネマ/ハリー東森

2008年12月

この年末、見に行きたい映画がまだまだあるのですが、家人からやれお風呂のカビ掃除だとか、やれ窓拭きだとかを仰せつかり、どうやら行けそうもありません。ということで、この一年間の締めくくり。劇場に足を運んで鑑賞した映画を気に入った順に並べました。

S:ムチャクチャ良かった A:良かった B:そこそこ C:もひとつ D:ダメ の5段階にざっくり分けて、あとは適当に順位を並べました。(順位は気分や歳とともに変わります)今年もSはなし。びっくり感動するようなダントツの作品にはナカナカめぐり会えません。


 
1 A ミスト
     こうゆうの好きやねェ。けっして低俗でないモンスター映画
 2 A 
アクロス・ザ・ユニバース
     全編ビートルズ。めちゃエコヒイキですがしかたなし。
     「It won't belong」と
    
 「Being for the Benefit of Mr. Kiteが特に良かった。
     どちらかというとポールの曲より、ジョンの曲のほうが印象的でした。
 3 A ノーカントリー
     観賞後も緊張感が持続した異様な作品。
 4 B アメリカンギャングスター
     人のことは云えませんが、ラッセル・クロウはもっとダイエットせな
     
あきまへん。
 5 B ザ・マジックアワー
     唯一の邦画なので大サービス。ベスト5に入れちゃいました。
 6 B インデイージョーンズ クリスタル・スカルの王国
     これも相当エコヒイキ。それと貫禄だな。
 7 B ダークナイト
     ヒース・レジャーの悪党ぶりが際立っていましたが、なぜ米国であんなにも
     ヒットしたのかわかりませんねぇ。
 8 B イーグル・アイ
     よーく考えると、すごくひねったお話でした。だったらもっとおもしろくないと
     いけません。
 9 B 地球が静止する日
     この経済危機の元凶 「アメリカが静止」 しないよう切にお願いします。
10 B ハンコック
     こうゆうとぼけた作品も好きですねぇ。
     
後半もとぼけたまんまでいってほしかった。
11 B 
アイアンマン
     ロボコップ2のほうが好き~。
12 C 
ハプニング
     前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」よりは良かったが、監督ゥ やっぱり
     もういいわぁ。
13 C 
X-ファイル:真実を求めて
     真実は見つかりませんでした。
14 C 
ラスベガスをぶっつぶせ
     ラスベガスはつぶさないでチョーダイ。
15 C 
ランボー 最後の戦場
     最後なんぞと云わず、次は北朝鮮 行って欲しいなぁ。
16 C 
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
     スプラッターにミュージカルは合わんでしょう。こうゆうの苦手だね。
17 C 
ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
     オトナもそこそこ楽しめますが、やっぱりオッサンには合いません。
18 D 
ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
     歴史の浅いアメリカでの宝探しは現実味がありませんのぉ。
     続編ももう見たくないねぇ。
19 D 
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘法
     4は作らんでもいいです。
20 D 
ネクスト
     ニコラス・ケイジさん。こんなん作ってるとダメんなっちゃうよ
21 D 
ライラの冒険 黄金の羅針盤
     冒険でしょ?ハラハラドキドキさせてくださいよ。

この時間 NHK BShi でまもなく「逃亡者」を放映するようで、我が家には録画したDVDがあると思っていたらこれが無い。さっそく録画の準備をしたところ。この作品は手元に置いときたいからねぇ。話し変わって、長いこと続いていた黒澤監督全作品の放映も終わりましたが、晩年の作品はどうなんでしょう。

「影武者」も「乱」も録画したのをチラッと見ただけでじっくりは見ていませんが、私にはやっぱり退屈で堪りません。「赤ひげ」あたりのまでの作品とは、相当な違いがあると考えるのですが、この探求は老後の楽しみにしまっておこう。(今はこれらの作品を見るよりも、他に見たい映画がいっぱいあるわけだ)

さて、また話がコロッと変わり、きれいどころの映画。「コレクター」(1997年 監督:ゲーリー・フレダー)はモーガン・フリーマンが犯罪者の心理に長けた警察官に扮する、猟奇的な女性誘拐犯罪を扱った映画でした。

この作品で アシュレー・ジャッド はその被害者として誘拐・監禁されるのですが、犯人のスキをついて運良く脱出し、モーガン・フリーマンに協力しながら犯人を追いつめていく、気丈な女性を演じていました。この人がまたきれいでたまらん。

宣伝用ポスターの彼女は実際の映像とはちょっと印象が違いますがこれもまたきれいなこと。(となりがモーガン・フリーマンなので、なおさら良く見える)

トミー・リー・ジョーンズと共演した、夫に殺人罪を着せられたアシュレー・ジャッドが服役後に復讐を果たす「ダブル・ジョパディー」(1999年)もナカナカの作品でしたが、ここ最近は良い作品に恵まれていないようです。

巷ではクリスマスのようで、仕事帰りの街角には気のせいかいつもよりカップルが目に付きました。このところの我が国のクリスマスはどうやら若い恋人たちのためにあるようで、「聖なる夜」(holy night)の”セイ”がちがうだろうと、怒って(妬んで?)みてもしょうがない。我が家はいつもと何も変わらない「静なる夜」(silent night)です。

子供が小さい頃はケーキを買って帰ったり、ミナミの呑み屋で騒いだこともありました。この歳になるとそんなこともないねぇ。ここはひとつ、映画の中からのクリスマスソングを聞きながら、静かな夜を過ごしましょうか。

「ダイ・ハード」では第1作も第2作もラストに同じ曲が流れますが、第1作はワンコーラスであっさり終わるのに、第2作ではフルコーラス流れていました。

その「ダイハード2」(1990年)のラストシーン。駐車違反のキップを切られたジョン・マクレーンがその違反をチャラにしてもらうところから、エンドロールに流れていきます。ジョン・マクレーンがbrokenな英語で受けていますねぇ。

    勝手な日本語訳は ハリー・東森

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空港警備長 「おーい マクレーン 駐車違反しとったんかいな アホやなぁ」



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マクレーン  「そ・・そうやけど なんでや」




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空港警備長 「無かったことにしといたるわ。 クリスマスやさかい」







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マクレーン  「おおきに ありがとさん」



訳者註:映画の冒頭、駐車違反のキップを切った警察官は空港警備長の弟

曲は「let it snow! let it snow! let it snow!」 唄うはボーン・モンロー。チョット長いですが全~部流しちゃいます。クリスマスやさかい。


「007」の歴代ボンドガールで、もうひとり上げたいのが、「007 ダイヤモンドは永遠に」(1971年 監督:ガイ・ハミルトン」のジル・セント・ジョンですねぇ。健康的なお色気をスクリーンから発散させていました。

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20081223_jj3_3 どんな役柄だったかはさっぱり忘れてしまいました。覚えているのはビキニのおしりに隠したカセットテープを発見されるシーンがあったことくらいですか。






この作品は、ショーン・コネリーの6本目のジェームズ・ボンドとしての最後の作品で、シリーズとしてはすでに峠を越え、マンネリ化して精彩がなく、たいした出来ではありません。正確にはショーン・コネリーはこの後、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983年)でジェームズ・ボンドを演じていますが、これは前回出たので省略。

「007」といえばシリーズ第1作からきれいどころが出ており、いつの頃からか”ボンドガール”などと呼ばれておりますが、ほとんどの女優さんがボンドガールのまま終わってしまっているようです。

その中で女優として名を成したのは、第1作「ドクター・ノオ」(1962年)のウルスラ・アンドレスくらいしか思いつきません。「ダイ・アナザー・デイ」(2002年)のハリー・ベリーはすでに女優として大成した後の出演だし、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983年)のキム・ベイシンガーはその後 花開くのですが、この作品は制作会社が違い「007」の番外編となり、シリーズには勘定されないのです。

その中で、いちばん印象に残っているボンドガールといえば、第2作「ロシアより愛をこめて」(1963年)の ダニエラ・ビアンキ でしょうか。この作品は以前 小欄でも紹介したことがあり、私のいちばん好きな「007」作品でして、そのあたりも印象が強い理由かもしれません。

彼女の役柄はイスタンブールのソビエト大使館に勤務する事務員で、母国KGBからの命令で、ジェームズ・ボンドに色仕掛けで接近する役を演じていましたが、お世辞にも上手い演技とはいえませんでした。やはりボンドガールで終わってしまうのはしかたないのでしょう。

この作品のラストシーンのベニス。テーマ曲をバックにショーン・コネリーとダニエラ・ビアンキがゴンドラに揺られながらエンドロールに流れるところを聞いてください。唄うはマット・モンロー。いい曲だねぇ。 当時 大ヒットしました。


今年も映画館へ足を運ぶのはあと1回か2回くらい。リドリー・スコット監督作品とコチラとどっちを先にするかと迷ったのですが、まず「地球が静止する日」見てきました。

この作品のテーマは「宇宙人はガラスの地球を救う」でした。この宇宙には、全宇宙環境保護団体といったグリーンピースみたいな宇宙人がいて、ずっと昔から地球に住みついて監視していたようです。

この宇宙人たちは、80年前のインドの山奥で、山男(これがキアヌ・リーブス)からDNAを採取して準備していたようで、この現代にキアヌ・リーブスの姿かたちを借りて人類に警告に来るのです。「このままだと地球が滅びてしまうのでそれを防ぐために人類を滅ぼす」と。

人類が愚かなことは、有史以来 世界中のどこかで、戦争は絶えることなく続いているという歴史が証明しているし、絶滅寸前の”種”があればなんとか保護しようとする一方で、増え過ぎた”種”は生態系を崩すので処分しようなどといったことなどは、まさしく人間のエゴかつ傲慢さの表れだと考えるのですが、その人類の上前をはねる宇宙人が現れたわけです。ヒト様もおこがましいが、この宇宙人たちもおこがましいねぇ。

その人類の危機を救うのが、科学者のジェニファー・コネリーと前妻の子供のジェーデン・スミス。戦争で亡くなった父親であり、夫を偲んで慰め合う二人を見て、宇宙人のキアヌ・リーブスが ”人類は愚かだが捨てたもんじゃないな” と理解したのでしょうか。これでこの作品の結論が出ました。「愛は地球を救う」です。

想像していたようなハデなアクション映画になりそうでならず、地味に仕上がったようですがこれが正解でしょう。ジェニファー・コネリーは相変わらずきれいで魅力的だったし、ウィル・スミスの息子のジェーデン・スミスは父子共演した前作「幸せのチカラ」(2006年)は見ていませんが、ナカナカいい演技をしていました。

人間の愚かさは他人(いや宇宙人)に云われなくても分かっとるわぃ。ということで、世界的な核戦争で滅びる寸前の人類を淡々と描いた、グレゴリー・ペックの「渚にて」(1959年 監督:スタンリー・クレイマー)を見直したくなりました。

もうすぐ終焉を向えるブッシュ政策を反省するような作品にも捉えられますが、アメリカから端を発したこの世界的な経済危機で「地球が静止」するよりもまず当面は「アメリカが静止」しないようにしていただきたいと切に願うのです。

きれいどころの女優をあげだしたらナンボでも出てきますねぇ。そういえばこんなことを思い出しました。ウチのカミさん(ハニー東森)と結婚する前。何回か実家に連れて行ったあと、親父に ”結婚しようと思っている” と相談したことがあります。当時息子23歳、父親56歳頃のこと。

その時の親父の言葉。「あのなぁ。はじめ」 (註:はじめ はハリー・東森の幼名) 「世の中には エェおんながいっぱいおるでなぁ。結婚しても後から後から出てくるぞよ。それでもよけりゃぁ 結婚したらえぇ」 というような、訳のわかったような、わからんようなことを云うのです。

それは父親のそれまでの人生に対する悔恨だったのか、男としてのアドバイスだったのか、今となっては知る由もありません。ほどなく今のカミさんと結婚したのですが、親父の云った通りでした。後から後から出てくるわ出てくるわ・・・。

仙人のように枯れた境地に入っている (このフレーズが気に入ってしまった) ハリー東森としては、いまだにスクリーンの世界でも、実世界でも、きれいどころはいっぱい現れるのですが、修行を積んだおかげで少々のことでは動じないのです。

しかし、息子が結婚するというとき、当時の親父のように、いかにも含蓄のあるような意味深そうな言葉はなんにも出てこず、「好きにしたらえぇ」こんなことしか云えませんでした。このあたり まだまだ修行が足りん。足りん。

ということで、きれいどころの女優さんが出てくる映画、まだ続きます。

アメリカには春が訪れる時期を予想する行事「グラウンドホッグデー」というのがあるそうで、「恋はデジャ・ブ」(1993年 監督:ハロルド・ライミス 原題:Groundhog day)はその催しを題材にした作品。

テレビキャスター役のビル・マーレイが、グラウンドホッグデーを取材し、ニューヨークへ戻ろうとしたところ、大雪で道路が封鎖され帰れなくなり、取材スタッフと共に町のホテルに泊まることになります。

翌日 目覚めてみると、どういうわけか昨日と日付が同じで、またグラウンドホッグデーを取材し、ニューヨークへ戻ろうとしたところ、大雪で道路が封鎖され帰れなくなり、取材スタッフと共に町のホテルに泊まることになります。

翌日 目覚めてみると、どういうわけか昨日と日付が同じで、またグラウンドホッグデーを取材し、ニューヨークへ戻ろうとしたところ、大雪で道路が封鎖され帰れなくなり、取材スタッフと共に町のホテルに泊まることになります。

翌日 また、目覚めてみると・・・と毎日毎日が同じ日の繰り返し。ビル・マーレイはこの状況から、なんとか抜け出そうと自殺まで図るのですが抜けられない。とうとうあきらめてこの状況をプラス思考に切り替える。このあたりおもしろいねぇ。

取材スタッフの女性アンディ・マクダウェルにアタックするのですが簡単にフラれる。しかし翌日、またちがうアプローチでアタックするのですがまたフラれる。これが毎日の繰り返しなので、だんだん要領がつかめてきて次第に彼女の心をつかんでいく。このあたりもおもしろいねぇ。

この相手役の アンディ・マクダウェル がいいんですよ。けっしてきれいではないけれど、大人の不思議な魅力を持った女優ですねぇ。「フォー・ウェディング」(1994年)ではヒュー・グラントとシャレた恋愛をしていました。

ビル・マーレイはあんまり好きな俳優ではありませんが、ここではぴったりの役柄。”クスクス笑えて、気分が良くなるような楽しい映画は?”と聞かれたら、私は迷わずこの作品を上げます。

「バーティカル・リミット」(2000年 監督:マーティン・キャンベル)はガイドとしてヒマラヤのK2を目指した妹役のロビン・タニーを含む登山チームが遭難し、兄のクリス・オドネルたちが救出するとうお話。

冒頭 著名な登山家の父親と一緒にロッククライミングを楽しむ兄妹が、思わぬ事故で父親を死なせてしまうショッキングなシーンがあり、このことによる兄妹の確執がお話の展開の重要な要素で、このあたりが気に入っているところ。

登山といえば大阪の天保山しか登ったことのない私には (関西人にしか分からない冗談かも) 雪山の専門的なことは分かりませんが、救出のため激しい風雪の中をヘリコプターで断崖絶壁に飛び降りたり、ニトログリセリンを背負って救出に向かったりと ”ホンマかいな?” というハラハラドキドキする場面がたくさんあり、これも気に入っているところ。

そしてもうひとつ。救出隊のメンバーの イザベラ・スコルプコ のこれまたきれいなこと。それもきれいだけでなく、男勝りの頼もしいところにシビれてしまい、仙人のように枯れた境地に加え、虚弱体質の ハリー東森 としては、こうゆうきれいで強い女性にすがりたくなるのでした。

「隊長ブーリバ」(1962年 監督:J・リー・トンプソン)はゴーゴリの原作だそうで、16世紀のトルコとポーランドにはさまれたウクライナのコサック民族の悲哀を描いた作品。ユル・ブリンナーがコサックの族長ブーリバを演じています。

トルコという国は今でこそ、こぢんまりと治まっていますが、中世から近世にかけてはヨーロッパやアフリカを脅かす大国だったこと、意外にもポーランドも当時は強国だったことなどが分かり、この作品自体はたいしたことなかったのですが、興味深く見た覚えがあります。

ユル・ブリンナーの息子役がトニー・カーチスで、コサックでありながら当時ポーランドの領土だったキエフの大学へ通うのですが、そこで知り合った将軍だったか偉い人の娘と恋に落ちます。この娘がクリスチーネ・カウフマンで、まぁなんとカワユイこと。(この画像は我が家所蔵のDVDからキャプチャーしたもの)

Photo_3 トニー・カーチスはそのカワユさゆえに、親も民族も裏切って敵方のポーランド側に走ってしまうのです。(実生活でも彼女と結婚し、離婚しています)いかにもトニー・カーチスらしいのですが、私も若い頃であればクリスチーネ・カウフマンの可愛さにトロントロンなってしまって、妻も子供も裏切っていたでしょう。

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しかし、すでに仙人のように枯れた境地の ハリー東森 はこの程度では動じないのです。

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